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2017年8月29日火曜日

波板の塗装

波板・折板は塗装して使用される場合も多い。
塗装の目的には、
  • 意匠を実現するため
  • 経年による美観の劣化を補修するため
  • 太陽光を遮断し材質の劣化を遅延させるため
  • 防錆のため
  • 異種金属接触腐食を防ぐため
などがある。

密着性の良い塗料(素材別)

塩ビ              シリコン、ウレタン、フッ素系
ポリカーボネート      アクリル系
スレート           シリコン、ウレタン、フッ素系
カラー鋼板                    アクリル、シリコン、ウレタン、フッ素系
ガルバリウム        シリコン、ウレタン、フッ素系

上記の他に、各素材専用のプライマーも塗料メーカー各社の製品ラインナップとして発売されており、 塗装工事の各現場で広く利用されている。プライマーには、品名に「○○用」と明記されて発売されている事が多く、目的の塗面に応じたものを選定しやすい。
補修のための塗装の場合は、汚れ・錆の除去や古い塗料の除去のためのけれん、プライマーの塗布など、状況に合った素地調整が必要である事は、他の一般的な建材や塗面と同様である。


参考

日本ペイント  https://www.nipponpaint.co.jp/biz1/building/faq_69.html
太陽塗料 https://www.taiyotoryo.com/industrial/pc/
エスケー化研 http://www.sk-kaken.co.jp/shanetsu/sh_page04.html
いえぬり  http://ienuri.jp/base07252010/

波板・折板の耐久性(素材別)

寿命の目安は次の通りである。

波板

塩ビ(ガラスネットなし)  2~3年  (A)
塩ビ(ガラスネット入り)  5~7年 (A)
ポリカーボネート 7~10年  (A)
スレート          30~40年 (B)
亜鉛メッキ鋼板(トタン) 10~15年 (C)
ガルバリウム      20~30年 (C)

折板

調べてみた範囲ではデータが得られなかったが、同じ素材の波板と同程度の寿命ではないかと推測される。

ウェブ上では様々なデータが公開されているが、出所によりそれぞれのデータには幅がある。そこで中庸なもの、ページ内にある解説などの情報から妥当と思われるものをピックアップして掲載した。
建材の寿命は環境の違いにより異なるほか、塗装等のメンテナンス実施によって異なる。特に、塗装により寿命を延ばす手法は一般的であり多く用いられている。

データの出所


(A) タキロンシーアイ https://www.takiron.co.jp/product/product_01/namiita/contents_a02.php
(B) ちきゅうにやさしい施工研究会LLP http://www.earth-lab.org/item/zerod-roof/volt.html
  横浜スレート工業 http://www.y-slate.co.jp/category01/index01.html
(C) 屋根工事お助け隊 http://coachbagsmallonline.com/2_taiyou_nennsuu/totan_taiyou_nennsuu.html

2017年8月28日月曜日

波板の施工例


波板は一般的に工場・倉庫などで多く使用されている。低コストである点が好まれていると考えられる。しかしそうした用途での使用が多いというイメージや、低コストであるが故にみすぼらしいというイメージを持たれる事も多い様である。
街を歩いて実際に波板が使用されているケースを探してみた。


自動車修理工場の壁(スレート波板)


マンションの屋外倉庫の屋根

時間貸駐車場の塀


通りに面する外壁を金属系サイデイングで、
裏路地に面する外壁を波板(角波)で仕上げた住宅





2017年8月22日火曜日

波板・折板の施工に使われる工具

折板・折板の施工によく使われる工具をまとめてみた。なお、ビスやボルトを締めたり穴を開けたりするのにインパクトドライバーや電動ドライバドリルが使われたり、釘を打つために玄能が使われたりする事はもちろんあるが、そうしたものは省いた。

成形

  • 折板成形機 ロールに巻かれた薄鋼板をいくつかのローラーに巻き込んで成形する。一般的に折板を大量に使用する大規模な現場で使われる。設置するとそこがちょっとした工場のラインに見える様な、大掛かりな工具である。

切断

  • ニブラ/キーストンカッター 回転する細い棒状の刃を板材の端から押し当てて切断していく電動工具。
  • シャー/電動カッター 金切りハサミの様な刃が高速で開閉する電動工具。
  • 金切りハサミ 折版の横切り専用として、滑ったり潰したりする事なく切断し易い用に、 JISのピッチに合わせた波型の刃を持つものが発売されている。

穿孔

  • 折板用パンチ 長い柄による強力なレバレッジで軒先から近い部分にスピーディーに穿孔できるハンドツール。
  • 波板用錐 塩ビ/ポリカーボネートの樹脂製波板用の、バリが出にくい様に工夫された形状の専用の錐。グリップの付いたハンドツールと、六角軸のインパクト/電動ドリル用のビットがある。ビットのものは樹脂製波板だけでなく鋼製/スレート製の波板の穿孔も可能ではあるが、耐久性に何がありメーカーも使用を推奨していない。一般的に、ドリルビットを使う場合は鋼板製波板には金属用ドリルビットを、スレート製波板にはコンクリート用ドリルビットを使用する場合が多い。

はぜ締め(かしめ)

  • はぜ締め器/ガチャ/ガッチャ) 大型サイズのやっとこの様な形状で、2本のレバーをそれぞれの手に持って両手で締め付けるハンドツール。
  • はぜ締め機(電動) 自走しながらローラーではぜを左右から締め付ける電動工具。

運搬

  • キャリー 台車の様な荷台とハンドルを持ち、裏に塗装を傷つけにくい樹脂製のそりが取り付けられた運搬用具。施工中の折半屋根の上で各種の資材や工具を運搬する為に使用される運搬具。

2017年8月21日月曜日

波板用の各種バーツ

波板はホームセンター等で手軽に手に入れる事ができる。さらに、波板と組み合わせて様々な用途での施工性を高めるパーツも幅広く市販されている。よく見かけるものには、次のようなものがある。

固定用パーツ


  • 傘釘 波板を取り付けるための釘である。波板を広い面で押さえる事ができるように、頭の形状が傘のように大きく平たい。
  • 亀座金(亀ワッシャ ) 木用ワッシャの様に、穴の径に対して外径が大きいワッシャで、ゆるいカーブがついている。このカーブが丸波板のカーブにフィットし、波板をボルトオンする際にしっかりと押さえる事ができる。
  • スポンジ座金(パッキン) 木用ワッシャの様な形状のスポンジ製のワッシャである。亀座金と組み合わせて使う。締め付けトルクの調整、止水の働きがある。
  • フックボルト 頭の部分が90度よりも鋭角(55度程度)に折り曲げられたボルトである。頭の部分をアングル材やチャンネル材に引っ掛け、ナットで締め付けて波板を押さ付ける様に固定する。
  • パイプボルト J字型のボルト。丸くカーブした部分を単管等の丸パイプに引っ掛け、波板をボルトオンするのに使用する。
  • 波板スクリュー(波板ビス) ビスの頭部分に波板のカーブにフィットする樹脂(ポリカーボネートのものが多い)の押さえパーツがあらかじめ組み合わせてあるビスである。

屋根用パーツ


  • 屋根用役物 波板で屋根を施工した際に防水性を高める為の各種の役物が各メーカーから発売されている。
    •  棟包み
    • ケラバキャップ 等

その他

  • アルミ製波板用アタッチ 塀やガレージの屋根を施工する際に、波板の端部を包み込み、かつビスやボルトで各所に取り付けやすい形状を持った、専用のアルミ押し出しの建材である。
  • 波板パッキン 片側が直線、裏面が丸波板にフィットする波型をした細長い発泡ポリウレタン。平面と波板との間の隙間を塞ぐ為に使う。ビスやボルトの締め付けトルクを調整する機能もある。




2017年8月20日日曜日

波板の形状のバリエーション(鋼製・アルミ合金製)

波板には材質だけでなく形状にも様々なバリエーションがある。
樹脂製やスレート製のものはその殆どがいわゆる丸波(丸波板) であるが、鋼製・アルミ合金製のものには様々な形状のものがある。

  • 丸波(丸波板) 半円形を互い違いに並べた様な断面。JIS規格があるのはこの円波である。
  • 角波(各波板) 台形を互い違いに組み合わせ、山の頂部と谷の底部分が平行した直線になる様な、角の角ばった断面を持つ。谷の部分幅広く山の部分が細いものが多く見かけられる。
  • リブ波(リブ波板) 断面の形状は角波に似ている。角波の山部分の幅を更に補足して、山の断面が逆V字あるいは逆U字をしている。
  • 角波(スパンドレル型) 角波のバリエーションで、留め付けのビス頭が隠れる様に成形されている。各メーカーが様々な形状のものを発売しているが、近年は特に山と谷の幅がほぼ等しく、30mm前後のピッチで直角に折り曲げられたタイプのものがKスパン(K型スパン)と呼ばれ、各メーカーのカタログで目立っている。いわゆる金属系サイディングと分類される建材に近く、両者の境目ははっきりしていない。また、キーストンプレートにはK型スパンに似たものが、キーストンプレートを壁面の外装や冷凍倉庫の内壁に施工する例も一般的であり、波板とキーストンプレートの境目もあまりはっきりしない。ただし、キーストンプレートと呼ばれるものは、一般的にビスを隠蔽する為の成形は特にされていない。

波板・折板のJIS規格

波板のJIS規格について調べてみたところ、次のものが見つかった。

波板

  • JIS G 3302  溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3312  塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
  • JIS G 3316 硬質塩化ビニル波板の形状及び寸法
  • JIS K 6735 プラスチック−ポリカーボネート板−タイプ,寸法及び特性
  • JIS A 5430  繊維強化セメント板 (スレート波板)

折板

  • JIS A 6514 金属製折板屋根構成材
波板はあくまで建材製品に対しての規格であり、施工に関しての規格は含まれない。一方、折板は施工も含むものである。ポリカーボネート製とスレート製の波板に関しては、それぞれの素材の波板のみならず板材全般に関する規格の一部に波板に関する部分がある、というものである。



波板の施工方法

波板のJIS規格では、折板の様に施工方法まで規格してある訳ではなく、あくまで建材製品について規格している。

また、一般的にホームセンター等で手軽に買い求める事ができるという事もあり、ベニヤ板やプラダン他の板状の材料に近い感覚で、多用途に設計者や施工者のアイディア次第で自由に扱える建材でてあるという性格が折板に比べて強い様子が伺える。


ただし、建材の特性を活かし、機能性を引き出すために踏襲され広く一般化しててきた施工方法はある。また、メーカーが想定していたり、推奨していたりする施工方法もある。それらについて調べてまとめてみた。



  • 穴を開け、釘、ビス、ボルトを貫通させて取り付ける
  • 穴開けは、水の侵入を避けるため山の部分に行う
  • 一般的な釘頭やねじ頭やワッシャーで押さえて留め付けるのでなく、専用の釘・ワッシャー・固定パーツを使って留め付ける。
  • 木部など、釘やビスの効く下地に釘やビスで留め付ける
  • 穴の空いた下地にボルトを共に貫通させて固定する。
  • 取り付け部分にアングル材・チャンネル材・パイプ等棒状の部材を渡し、鍵型のフックやJ字型のフックで引っ掛けて取り付ける
  • 幅方向に継ぎ足す際は、2.5山以上重ねる

2017年8月19日土曜日

折板の施工方法

折版を横架材などの取付箇所に取付施工する方法は3種類ある。これら3種類はJIS A6514にも規格されている。

3つの施工方法に共通しているのは、タイトフレームを用いる事である。タイトフレームとは、折板と取付部分の間に入る取付金具で、三角形が横に連なっている様な形状をしている。タイトフレームは取付部分に溶接やボルトオンにより取り付けられる。タイトフレームと折板とを取り付ける方法に3種類あり、この違いが工法の種類として注目される。

重ね形

折版に穴を開け、その穴にボルトを通して タイトフレームと固定する方法。確実に固定できる。加工にやや時間が掛かる。折版に穴を開けるため、防雨の処理が必要である。

はぜ締め形

折版の山部分の頂部にはぜと呼ばれる溝状の加工をしておく。タイトフレームの頂部には、左右に小さな張り出しのある緊締金具を取り付けておく。緊締金具を折版のはぜが覆うように取り付け、折版の上からはぜが緊締金具を覆い込む様に専用工具で締め付けて取り付ける。重ね式に比べ早い施工スピードが得られる。現場で締め付けて固定するため、嵌合式に比べると、事前の精密な整形が要求されない。穴を開けないため、雨漏りのリスクが少ない。


かん(嵌)合形

いわゆるはめ込式、スナップオンと呼ばれる方法である。タイトフレームの山形の頂部に取り付けられた固定金具あるいははめ込み式となる様に凹凸が加工された専用のタイトフレームの頂部に、緻密に凹凸が加工された折板をはめ込んで取り付ける。はめ込んだ上にさらにレール上のパーツを取り付ける事で取り付けの強度を補うタイプや、職人が踏み付けるだけで固定できるタイプがある。緊締金具を使わずにタイトフレームの凹凸を利用してはぜ締めを行うタイプも最もこの施工方法に含められる。スピーディーな施工が可能である。穴を開けないため、雨漏りのリスクが少ない。屋根材として強風でも飛ばされない様に強固に固定される必要があるため、材料の高度な製造技術が要求される。


参照先

株式会社協和
http://www.kyowa-kb.co.jp/documents/doc/09.php

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%98%E6%9D%BF

波板・折板に関連する業界団体







波板・折板に関連する業界団体には次のものがある。
公式サイトでは製品や施工に関し、各種の情報提供等を行っている。
  • 一般社団法人 日本金属屋根協会  http://www.kinzoku-yane.or.jp/
  • 日本プラスチック板協会 http://www.p-bankyo.com/
  • 繊維強化セメント板協会 http://www.skc-kyoukai.org/

波板・折板の素材のバリエーション

波板と折板の素材で一般的によく見かけるものには、次の素材がある。

波板

    • 溶融亜鉛メッキ
    • 溶融亜鉛メッキ+カラー塗装 
  • ガルバリウム合金
  • 硬質塩化ビニル(塩ビ)
    • ガラスネット無し
    • ガラスネット入り
  • ポリカーボネート 
  • スレート

折板

    • 溶融亜鉛メッキ
    • 溶融亜鉛メッキ+カラー塗装 
  • ガルバリウム合金製
  • ポリカーボネート 

考察

  •  波板では一般的である塩ビとスレートの素材は、折板では見かけない。
  • 折板にはステンレス製のものも建材のカタログで時々見られるが、コストの問題からあまり多くは用いられていないとの情報もある。
  • 樹脂製の波板では、耐候性が低い→高いの順に、塩ビ(ガラスネット無し)→塩ビ(ガラスネット入り)→ポリカーボネートである。コストの低い→高いも同様の順序である。
  • 塩ビよりもポリカーボネート方が透明度の高い製品がある。
  • ポリカーボネート製の折板は、採光を得る使われる事が多く、鋼製の折半屋根を一部分を透明や半透明のポリカーボネートにする事でトップライトの様な箇所を設ける事例も多い。
  • スレートの波板は外装以外に、窯業系の質感を活かして看板や内装の壁装材など、装飾性のある用途に使われる事例も多い。

    2017年8月18日金曜日

    波板・折板のよく見かけるメーカー

    波板と折板のメーカーを調べてみたところ、次のメーカーの情報がよく見かけられた。

    波板

    • 鋼製、ガルバリウム合金製
      • 日新製鋼建材 http://www.ac.nisshin-steel.co.jp/
      • セキノ興産  http://www.sekino.co.jp/
      • 三ツ星商事 http://www.mitsuboshi-shoji.co.jp/
      • JFE鋼板 http://www.jfe-kouhan.co.jp/ 
      • JFE日建板 http://www.jfe-nikkenban.com
      • 日鉄住金鋼板 http://www.nisc-s.co.jp/
      • 三晃金属工業 http://www.sankometal.co.jp/
      • 淀川製鋼 http://www.yodoko.co.jp/
    • 塩ビ製、ポリカーボネート製
      • 信越ポリマー http://www.shinpoly.co.jp
      • 大日本プラスチックス http://www.daipla.co.jp/
      • アイリスシンヨー  https://www.irisshinyo.co.jp
      • 菱琵テクノ http://www.ryobi-techno.co.jp/
      • タキロンシーアイ https://www.takiron-ci.co.jp
      • 住友ベークライト https://www.sumibe.co.jp
      • 積水化学工業 https://www.sekisui.co.jp/ 
      • 日本ポリエステル http://www.nippoly.co.jp/
    •  スレート製
      • 宇部興産建材 http://www.ube-ind.co.jp/
      • 東京スレート http://www.mtk.co.jp/
      • 大和スレート http://www.yamatoslate.co.jp/
      • ミエスレート http://www.mieslate.com/
      • チヨダセラ http://www.c-cera.co.jp/

    折板

    • 鋼製、ガルバリウム合金製
      • 溶融亜鉛メッキ
      • 溶融亜鉛メッキ+カラー塗装 
      • 三晃金属工業 http://www.sankometal.co.jp/
      • 淀川製鋼 http://www.yodoko.co.jp/
      • セキノ興産  http://www.sekino.co.jp/
      • JFEスチール http://www.jfe-steel.co.jp/
      • 元旦ビューティ工業 https://www.gantan.co.jp/
      • JFE鋼板 http://www.jfe-kouhan.co.jp/ 
      • 日本鐵板 http://www.np-nippan.co.jp/
      •  
    • 鋼製(有孔折板)
      • 朝日スチール工業 https://www.asahi-fence.co.jp/ 
      • 日創プロニティ http://www.kakou-nisso.co.jp/
      • 日幸産業 http://www.nikko-ind.co.jp/
    • ポリカーボネート製
      • タキロンシーアイ https://www.takiron-ci.co.jp
      • 住友ベークライト https://www.sumibe.co.jp
      • 大日本プラスチックス http://www.daipla.co.jp/
      • AGCマテックス  http://www.agm.co.jp/
      • 日本ポリエステル http://www.nippoly.co.jp/
      • 三菱ケミカルインフラテック http://www.mp-infratec.co.jp

    • 有孔折板に関しては、折板を仕入れて穴あけ加工をしている小規模なメーカーが多い様子である。

    波板と折板の共通点と相違点

    波板と折板の共通点と相違点をまとめてみた。

    波板と折板の共通点

    • 一般的に薄い素材で作られている。
    • 一般的に一定の耐候性があり、外装に適した素材で作られている。
    • 一般的に水を通さない素材で作られている。
    • 素材を互い違いに折り曲げた造りである。
    • 一般的に切断や穿孔の加工が容易である。
    • 材料に方向性がある。
    • 繰り返し互い違いに折り返して作られた事による、一定の厚みがある。
    • 一般的に軽量であり長さ方向に対し自重でたわみにくく、ロングスパンに適している。
    • 幅方向には容易に曲がりやすい。
    • 単体では遮音性・断熱性・蓄熱性に乏しい。
    • 雨水を山部分から谷部分に集め、一定の方向へ流す。
    • 施工面積に対して表面積が大きい。
    • 補強していない端部が突出していると潰れや欠けが生じやすい
    波板と折板の相違点
    • 一般的に波板は屋根に限らず壁や塀に使用される事も多いのに対し、折板が屋根以外に使用される事例はだいぶ少なく限定的である。
    • 一般的に折板の施工にはタイトフレームを必要とする。
    • 折板は現場で加工される場合がある。
    • 折板はより長いスパンでの施工が可能である。
    • 一般的にホームセンター等で既製品の在庫が波板は容易に手に入りやすく、折板は手に入りにくい。
    • JISの規格が波板は材料に関するものであるのに対し、折板は施工に関する部分も含んでいる。

    折板のJIS規格 A6514

    折板について主だったJIS規格の内容をまとめてみた。
    なお、「金属製折板屋根構成材」というA6514のタイトル通り、屋根に限定されている。

    • 構成部品
      • タイトフレーム
      • ボルト及びナット
      • 固定金具
    • 種類及び記号
      • 形式による区分
        • 重ね形 ボルトで結合
        • はぜ止め形 はぜで結合
        • かん合形の3種類 かん合で結合
      • 山高・山ピッチによる区分
        • 山高で8段階、山ピッチで6段階
    波板の様にミリ単位で形状や寸法がきっちりと決まっている訳ではなかった。しかし、製品の情報を調べてみると、異なる複数のメーカーで共通した断面の形状を持つ製品も見られる。厳密な規格品ではないが、デファクトスタンダード化した定番品が存在している様だ。
      • 耐力による区分 1種~5種まで
      • 材料による区分
        • 鋼板製
        • アルミニウム合金板製
    ─ここから下は時間の配分を考慮し、とりあえず今の段階では深掘りせずに飛ばす─
    • 品質
    • 構造及び加工
    • 構成材の寸法及び寸法の許容差
    • 厚さ
    • 構造部品の寸法及び寸法の許容差
    • 材料
    • 試験方法
    • 検査
    • 製品の呼び方
    • 表示
    • 取扱い上の注意事項

    波板のJIS規格(ポリカーボネート製) K6735

    K6735は、「プラスチック−ポリカーボネート板」の規格で、その一部に、波板の規格がある。
    主だった内容は次の通りだ。

    • 種類 現状「一般用」の1種類だけがある。
    • 寸法
    • 呼び寸法 32、 ピッチ 32ミリ、 厚さ0.7ミリ、谷の深さ9ミリ、 幅655ミリ
    • 長さ 6尺、7尺、8尺、9尺、10尺

    塩ビ製と比べるとだいぶサイズのバリエーションが少ない。厚さ以外のピッチ、谷の深さは塩ビ製の32波と一致しているので、両者を組み合わせる事も可能だろう。

    波板のJIS規格(スレート製) A5430

    A5430は「繊維強化セメント板」の規格だ。その中の一部に波板の規格がある。
    規格の主だった部分は次の通りだ。

    • 種類 
      • 大波
      • 小波
    • 寸法
    • 厚さ
      • 6.3ミリ
    • ピッチと谷の深さ
      • 大波 ピッチ 130ミリ、谷の深さ35ミリ
      • 小波 ピッチ 130ミリ、谷の深さ35ミリ
      • 大波 950ミリ
      • 小波 720ミリ
    • 長さ
      • 6尺、7尺、8尺
    • 性能 細かい話なので内容についての深掘りはひとまず避ける。項目は次の通り。
      • 曲げ破壊強度
      • 吸水率
      • 衝撃高
      • 透水試験 
    材料がスレート製という事があり、鋼製や樹脂製のものと比べると大きく分厚いサイズ感である。

    波板のJIS規格(塩ビ製) A5702

    主だった規格の内容は次の通りだ。

    • 種類(網のあり/なし)
      • 2号 網あり
        • 厚さ0.8ミリ
        • 厚さ1.0ミリ
        • 厚さ1.5ミリ
      • 4号 ガラス網入り
        • 厚さ0.9ミリ
    思ったより多くの種類が規格されていた。網入りのものもしっかり規格化されていたとは。網なしのものには、3種類も種類があったのも意外だし、網入りのものは厚さ0.9ミリと、薄めのものが1種類のみ、という事も覚えておくと役立つかも。
    • 種類(波の形状)
        • 32波 32ミリピッチ
        • 63波 63ミリピッチ
        • 76波  76ミリピッチ
    これも3種類もあったとは。ホームセンターの屋外売り場などでよく見かけるのは32波。 鋼製の「小波」は31.8mmだったから、重ねると微妙にずれる。76波と鋼製の「大波」「でも0.2ミリのピッチの差がある。ざっと幅600ミリちょっとの材料で4ミリぐらいずれるという計算なので、それなりの寸法のずれだ。鋼製の波板と塩ビの波板を長い方に継ぎ足すように組み合わせる使い方はできるのかできないのか、微妙な感じだ。そこを調べていると時間が無くなりそうなので、今後施工例を気に掛けておく事にする。

    • 品質
    だいぶ細かい話なのであまり入り込まずにひとまず飛ばす事とする。どんな事が規格されているかという項目だけ挙げておく。
      • 外観
      • 曲げ強さ及び衝撃強さ
    • 形状・寸法及び許容差
      • 谷の深さと幅
        • 32波 谷の深さ9ミリ 幅655ミリ
        • 63波 谷の深さ15ミリ 幅720ミリ
        • 76波 谷の深さ18ミリ 幅720ミリ
      • 長さ  それぞれ 6尺、7尺、8尺、9尺、10尺、12尺(実際は細かくミリメートルで決まっている
    鋼製の場合と違い、幅は出来上がりの寸法だ。長さは鋼製の場合と違い11尺の規格が無い。 あまりいい資料が手に入らなかったので、正確であるかどうかは少々心細い。ただ、設計にあたって材料を選定するにはひとまずこれ位の事が分かっていれば何とかなるだろう。
      • 許容差 ここで調べている実益が考えにくいので、とりあえず飛ばす。
    • 質量 これも細かい話なので、とりあえず飛ばす。
    • 材料 塩ビだという事と、ガラス網入りのものに関してはこれまたJISの別項で規格されているもの以上の品質のものを使え、という事を言っている。
    • 試験方法 品質の試験について細かく書いてある。とりあえず飛ばす。

    波板のJIS規格(鋼製) G3316


    主だった内容はざっくり次の様なものだ。

    まず規格には波の大きさの異なる2種類がある。

    • 波板 1 号(大波)
    • 波板 2 号(小波)
    2種類あったとは。街中でよく見るのは小波らしい。ホームセンターでも、特別巨大でない普通の店舗で在庫しているのは小波っぽい。

    規格化されている項目には次の様なものがある。
    • 波を付ける前の材料の寸法
      • 幅は2.5尺、3尺、1メーターの3種類。
      • 長さは幅2.5尺と3尺のものは6尺、7尺、8尺、9尺、10尺、11尺、12尺
      • 幅1メーターのものは長さ2メーターの1種類のみ
      • いずれも細かくミリメーターで決まっている)
    • 波を付けて仕上がった材料の寸法
    • 仕上がりの幅
      • 幅2.5尺の小波→634ミリ
      • 幅2.5尺の大波→665ミリ
      • 幅3尺の小波→762ミリ
      • 幅3尺の大波→800ミリ
      • 幅1メーターの小波→834ミリ
      • 幅1メーターの大波→875ミリ
      • ざっくり言うと、基本的に断面は左右シンメトリーな仕上げになる。(両端とも跳ね上がっていたり、両端とも垂れ下がっていたりするイメージ)
    • 波の深さ
      • 小波は9ミリ、大波は18ミリ。
    • 波のピッチ
      • 小波は31.8ミリ、大波は76.2ミリ。
    • 誤差の許容範囲
      • これは決まっているが、使う側にとってはあまり重要でないので読み飛ばした。
    幅に関して、仕上がりの寸法でなく、 曲げる前の元の板のサイズが基準になっているというのは意外だった。

    折板とは

    そのままでは曲がりやすい薄工板などの薄い材料ををジグザグ状に折り曲げ、一定方向に強度をもたせたもの。工場で折り曲げ加工されて既製品として販売される他、大量に使用される場合には工事現場にロール状の材料と加工用ローラーを持ち込み、現場で整形する場合もある。

    参考:
    Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%98%E6%9D%BF
    一般社団法人 日本金属屋根協会  http://www.kinzoku-yane.or.jp/roof/type/01_seppan.html



    波板とは


    そのままでは曲がりやすい薄鋼板などの薄い素材をアーチ型など凹凸が連続する波型にし、一定の方向に強度をもたせたもの。
    海鼠板(ナマコイタ)、トタン板、トタン、亜鉛鉄板、亜鉛鉄板など多くの別名がある。トタンとは元々材料名であり、波板の材質はトタン製のものに限らないが、呼称に厳密性を要しない現場では、波板とトタンを同義語として使用してしまう場合もある。

    参考:
    Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%BF%E3%83%B3
    weblio辞書  http://www.weblio.jp/content/%E6%B3%A2%E6%9D%BF